帰り道 デートの帰り道に読む
デート

デートで何をするか、前日に調べたのに、当日は全部忘れた

初デートで何をするか、私は前日にちゃんと調べた。行き先、お店、話すこと。それなのに当日、緊張で全部忘れて、相手に「どこに行きたいですか」と聞いていた。準備しても、緊張の前では何の役にも立たなかった夜の話。

初デートの前日、私は「デートで何をするか」を、三時間かけて調べた。

前日に、完璧なプランを立てた

行き先は、口コミのいい喫茶店。そのあとは、歩いて行ける公園。もし雨なら、近くの映画館。

私は前日に、完璧なプランを立てた。 何時にどこで会って、何を食べて、どの順番で歩くか。全部、紙に書いた。

プランが完成したとき、私は満足していた。これで安心して会えると思った。準備ができていれば、当日は大丈夫だと思っていた。

当日、全部忘れた

当日、私はその紙を家に置いてきた。

置いてきたんじゃない。緊張して、存在を忘れた。 待ち合わせ場所に着いたとき、私は「デートで何をするか」を、何も覚えていなかった。

相手が「今日はどうする?」と聞いて、私は「お好きなもので」としか言えなかった。前日に三時間かけて調べた喫茶店も、公園も、映画館も、全部頭から消えていた。

準備は、緊張では守れない

あとから思う。あれは準備が足りなかったんじゃない。

準備は、落ち着いている状態で使える。緊張している状態では、どんなに準備しても、思い出せない。

三時間のプランは、緊張の前では、一枚の紙の重さしかなかった。私は「準備すれば大丈夫」という、いちばん単純な思い込みに、頼っていた。

で、今はこうしている

今は、デートのプランは、頭じゃなくてスマホに入れることにしている。

前日に調べたら、メモ帳に書いて、当日はそれを開く。忘れる前提で、準備をする。 そして、いちばん大事なことだけを、一行でメモする。「○時に、駅前の喫茶店」。これだけ覚えていれば、あとはどうにかなる。

それと、プランは一つじゃなく、二つ持っていく。「喫茶店か、相手が何か食べたいものがあるなら、そっちでもいい」という、逃げ道つきのプラン。逃げ道があると、緊張しても、道が塞がってない。

デートで何をするか、前日に三時間調べたのに、当日全部忘れた。

あの日、私は準備を失敗したんじゃなく、緊張の大きさを、準備で測り間違えた。 今は、準備は忘れるためのものだと思って、一行だけを覚えるようにしてる。

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