デートで何を話すか、私はいつも「仕事の話」で逃げていた
デートで何を話せばいいか分からず、私はいつも「仕事の話」に逃げていた。仕事の話は安全で、話題が尽きなくて、でも、仕事の話ばかりしている私は、自分を何も出していなかった。デートの会話の、逃げ場の話。
デートで何を話せばいいか分からず、私はいつも「仕事の話」に逃げていた。
仕事の話は、安全だった
「今日は何してたの?」と聞かれると、私は必ず、仕事の話をしていた。
会社のこと、担当してる仕事のこと、残業のこと。仕事の話は、無限にある。 話題が尽きないし、話し慣れてるし、間違いも起こらない。私にとって、仕事の話は、会話の安全地帯だった。
そして、相手が仕事の話をすると、私はそれに真剣に聞き入っていた。相手の仕事を質問するのは得意だった。 なんでその仕事を始めたのか、一日中何をしてるのか、楽しいところはどこか。私はいい聞き手ぶりをしていた。
聞いてるだけの私は、何も出してない
あとから気づいた。仕事の話は、私を守ってくれていたけど、私のことを何も伝えてもいなかった。
仕事の話は、誰でも話せる。今日のタスク、今月の締め、次のプロジェクト。そこに「私」はいない。 私が何が好きで、何に腹が立って、どんな休みを過ごしたいか。そういう話は、仕事の話の向こうに、全部隠れたままだった。
相手は、私の仕事を知った。でも、私のことは、何も知らなかった。
仕事の話で埋めた、あの夜
ある日、二時間のデートが、全部仕事の話で終わった。
解散したあと、私は「今日、何を話したっけ」と振り返って、相手の仕事の話と、自分の仕事の話しか、何もなかったことに気づいた。その夜のデートは、仕事の報告会だった。私はそれをデートだと思って、楽しんでた。
で、今はこうしている
今は、デートでは「仕事以外で、最近楽しかったこと」を一つ、覚えておくようにしている。
趣味のこと、行った場所、観た映画。仕事以外のことを話すと、相手も「仕事以外の自分」を出してくれる。 仕事の話は、二人の共通の安全地帯でしかなくて、そこから先は、仕事以外の話をしないと、進まない。
デートで何を話すか、私はずっと仕事の話で逃げてた。
仕事の話は、私を隠すための壁だった。 壁を崩して、趣味の話や、恥ずかしい話や、つまらない話を、少しずつ出すようになって、やっと、会話に「私」が入るようになった。
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