髪を切ったら、初めて鏡の中の自分を「認識」した
十年くらい同じ髪型だった。変えるのが怖かった。切ったら、鏡の中に初めて「今の私」がいて、それがデートの写真を撮ることにつながった話。
私は十年くらい、同じ髪型だった。床屋に行くたび「いつも通りで」と言って、いつも通りに戻してた。
同じ髪型に、十年しがみついてた理由
変えなかった理由は、よく分かる。
髪を変えたら、私は「私じゃない」みたいに見える気がした。 それに、変えて失敗したら、笑われるかもしれない。変えなければ、少なくとも「前と同じ私」でいられる。
だから十年、私は「前と同じ私」に乗り続けてた。
切った日、鏡の中に知らない人がいた
ある日、思い切って、かなり短く切った。床屋で「いつも通りで」と言わずに、初めて「短くしてください」と。
帰って鏡を見て、びっくりした。鏡の中に、知らない人がいた。
でも、その知らない人は、意外と悪くなかった。十年ぶりに、鏡の中の自分を「今の私」として認識できた。今までの鏡は「昔の私の残り」を見てた。
それが、写真を撮ることにつながった
髪を切った次の週、私は初めて、デート用の写真を自分で撮った。
今まで写真を撮らなかったのは、撮っても「私じゃない」と思うからだ。でも、髪を切って鏡の中で認識した「今の私」なら、写真にしてもいいと思えた。
これが、今の私です
写真を撮るときに、初めてそんな気持ちになった。
で、今はこうしている
髪型は、今は一年に一回は変えるようにしてる。
別にモテるためじゃない。鏡の中の自分を「今の私」として更新するためだ。
写真も、更新したら撮り直す。十年同じだった私が、今は「今の私」の写真を持ってる。それだけで、アプリの自分が、実物の自分に追いついた気がする。