返信が、少しずつ遅くなった
三回会ったあと、返信が一日ずつ遅くなっていった。速くなった一週間があった話を書いたので、その逆も書いておく。フェードアウトの予兆は、気づいたときにはもう始まっていた。
返信が、少しずつ遅くなった。
最初は、三時間くらいだった。次は半日。その次は「翌朝」。三回会ったあと、返信の速さは一週間かけて、だんだんと遅くなっていった。
速くなった話は、前に書いた。急に返信が速くなった一週間があって、それで私は勝手に浮かれていた。今回はその逆の話。遅くなっていく一週間のことを、記録しておく。
遅くなるのは、ゆっくりだった
フェードアウトの予兆は、気づいたときにはもう始まっていた。
初めは「忙しいのかな」と思った。返信が半日かかるのは、会社が忙しいなら普通にある。私だって、その日は返せないことがある。
でも、それが一週間続くと、さすがにパターンだと分かる。
返信が遅くなるのは、一日ずつだった。 三時間が半日になり、半日が翌朝になり、翌朝が翌日夜になった。階段を一段ずつ下りるみたいに、ゆっくりと。
遅いからといって、急いで返さなかった
この期間、私は返信を急がなかった。向こうが遅いなら、私も同じペースでいいと思ったからだ。
結果は、向こうのペースがどんどん遅くなっていった。私が合わせて遅くした分、向こうもまた遅くなった。返信の速さは、二人の間で相場ができる。 遅いほうに合わせていくと、相場は下がり続ける。
今思うと、あれは「このペースでいこう」という向こうの意思表示だったんだろう。私はそれに気づかず、ただの忙しさだと思っていた。
フェードアウトは、急に来ない
フェードアウトという言葉は、急に連絡が来なくなるイメージがある。でも、実際は急に来ない。
連絡が来なくなる前に、必ず「遅くなる」という前触れがある。 返信が遅くなり、既読がつかなくなり、そのまま止まる。私は三回会ったあとの一週間で、この順番を全部見た。
「まだ返事は来る」と思っていたのは、私がその前触れを読めなかっただけだ。
遅くなったら、どうするか
今ならこうする。
返信が二日続けて遅くなったら、それ以上は追わない。催促もしない。向こうが返す気になれば返ってくるし、返す気がなければ、何をしても返らない。
速くなった一週間があって、そのあと遅くなった。あの一週間は、向こうが本気だった瞬間だったんだろう。 そして遅くなったのは、その本気が終わったサインだった。
返信の速さは、二人の間で相場ができる。相場が下がり始めたら、それは終わりの始まりだ。
あのとき、私は「まだ大丈夫」と思っていた。でも、向こうはもう下がり始めていた。気づかなかったのは、私が遅くなることを見たくなかっただけだ。
遅くなるのは、ゆっくりだった。だから、止まるまで気づけなかった。